今年は直弼の生誕200年にあたる記念すべき年にあたる。
最近になって何度か、NHKの番組などで井伊直弼のことを採り上げた番組が放送されるのを見た。
かつては安政の大獄の実行者としてダーティーなイメージで否定的に語られることの多かった井伊直弼だが、最近はむしろ、日本を開国に導いた開明的な為政者としてプラスのイメージで評価されることが多いような気がする。
私の持っている井伊直弼観にかなり近い形で直弼のことが紹介されているのを見て、うれしく思っている。
ダーティーな直弼観は、幕府と敵対関係にあった薩長などが演出して作り出した虚像であり、正しい直弼像を表してはいない。
言ってみれば亡くなって(安政7年(1860)3月3日)から155年の間、直弼は世の中から誤解し続けられてきたわけで、ここにきてやっと、真実の直弼の姿が心ある人たちによって明らかにされつつあるということだと思っている。
直弼の生誕200年にあたるこの年にもう一度、私なりに直弼のことを冷静に見つめ直してみたいと思っている。